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2012年8月23日(K87)シンクロ通信アーカイブより
まずは、原文のままお読みください。

危険を顧みず、真実を伝えようとする姿には感動を覚えます。
〈戦場取材というのは、自問との闘いだ、と思う。紛争地で銃撃戦に巻き込まれたことがあるが、間近に聞く 自動小銃の音は腸(はらわた)を裂くようだ。 戦車砲ともなれば、全身が粉砕される恐怖を覚える。そして考える。自分は何のためにここにいるのか 

そんな取材を重ねてきた山本美香さんが、シリア内戦の犠牲になった。山本さんと十二年前、モスクワで会っ たことがある。ふんわり柔らかな空気をまとった人で、アフガンからの帰りと言っていた 小学生向けの著書『戦争を取材する』(講談社)にその時の体験が書かれている。内戦に苦しむ人々を取材し ながら、自問していたそうだ。医者なら目の前の命を救えるが、記者の仕事にどれほどの意味があるのか 

無力感に襲われながら撮影していた彼女に、わが子を失ったばかりの父親が言ったという。「こんな遠くまで 来てくれてありがとう。世界中のだれも私たちのことなど知らないと思っていた。忘れられていると思ってい た」 

撃つ側ではなく撃たれる側に立って戦場を駆けてきた。戦争の犠牲者を数字でなく、生の言葉と表情で伝え続 けてきた。その著書はこう結ばれている

《世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。この瞬間にもまたひとつ、またふたつ...大切な命が うばわれているかもしれない-目をつぶってそんなことを想像してみてください》〉

(東京新聞   8月22日“筆洗”より)

取材現場で殉職した山本美香さんは1967年5月26日生まれ  K213  赤い空歩く人   赤い月  音5です。 細かな感受性をもちながらも自らの使命、ミッションを感じると生命を賭けるタイプです。

圧倒的に男性中心 の戦場で、幾多の困難を越え、使命に徹した人生に心から敬意を表します。 

現実を知らない限り、正しい認識と判断を下すことはできません。華やかな世界は人々の注目を集めます。逆 に内戦などは、誰かが足を踏み入れて報道してこそ人々も関心をもち、いくらかの真実がみえてくるのでしょ う。

勇敢に使命感に燃える人材あってこそ、私たちは真実を知ることが可能となります。 心からご冥福をお祈りいたします。

さてK87  青い手  青い嵐  音9です。

「幸せを生む愛とは、相手の幸せに貢献しようとするとともに、相手の感じていることを尊重する愛なのです」

という表現があります。 じっくりかみしめ、少しでも遂行すると、自分の考えを押しつけたりしなくなります。 この流れを妨げるものこそ“エゴ”です。 徹底した「尊重の姿勢」でエゴを焼きつくしましょう。
 

〈この10年を振り返って〉

シリアで山本美香さんが殉死してから10年が経つのですね。この当時はシリアの内戦ですが、いまはロシアとウクライナの戦闘が既に6か月をむかえています。また非常に残念なのは、未だに出口(終戦のメド)がまったく見えないことです。

相変わらずウクライナの人々をはじめ、世界のジャーナリストの犠牲も増える一方です。日夜、祈り続け、殺りくや破壊を一旦ストップさせたいですね。

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