秋の気配が日ごとに深まる10月を迎えました。
澄んだ空を見上げたり、虫の音に耳を澄ませたりしていると、
心も自然と静けさを取り戻していくように感じます。
皆さまは日々の暮らしの中で、どれほど
「ひとり時間」をお持ちでしょうか。
仕事や家事、人とのやりとり。
ようやく一息ついても、スマートフォンを開けば、さまざまな情報が飛び込んできます。
ひとりでいるようでいて、心はいつも外の世界に向かっている。
そんなことも少なくないのかもしれません。
今月は、自分自身と深くつながる「ひとり時間」について、お伝えしたいと思います。
「最強の自分」とは、どのような自分でしょうか。
私が思うのは、揺れたとしても、
自分の中心に戻ってこられる人です。
周囲の評価に心を奪われすぎず、困難の中でも、自分の内側に静かなよりどころを持っている。
その強さは、ひとりで過ごす時間の中で、ゆっくり育まれていくように思います。
孤独という言葉には、寂しさがつきまといます。
しかし、自ら選んでひとりになり、その静けさの中で自分と向き合うことには、豊かな意味があります。
それは、
自分の奥にある「内なる泉」を満たす時間です。
人と関わっているとき、私たちの心の一部は、必ず相手に向かっています。
気持ちを察し、期待に応え、場の空気を読む。
それは大切な働きですが、続きすぎると、自分が何を感じ、何を望んでいるのかが、わからなくなることがあります。
「私は、本当はどうしたいのだろう」
「いま、何を大切にしたいのだろう」
こうした問いの答えは、すぐに言葉になるとは限りません。
ひとりになり、心を鎮め、内側に耳を傾けるうちに、少しずつ聞こえてくることがあります。
それは、たいそう静かな声です。
忙しさの中では聞き逃してしまうほどの、小さな声。
しかし、その声を丁寧に受けとめることが、自分の人生を自分で選ぶ第一歩になるのではないでしょうか。
他人の期待や世間の物差しを気にするあまり、自分の本心を置き去りにしていないか。
そう問い直す時間が、流されない自分の軸を育ててくれます。
ひとりでいても心が満ちている人は、自分の中に楽しみや安らぎを持っています。
本を読む。季節を味わう。思いを書き留める。
誰かに認めてもらわなくても、心豊かに過ごせる世界があるのです。
もちろん、ひとりでいることがつらい日は、人の温もりに支えてもらえばよいのです。
豊かな孤独を愛することと、人とのつながりを大切にすることは、矛盾しません。
自分の心を満たす時間があるからこそ、人にも穏やかに向き合えるのでしょう。
もう一つ、
大切にしたいのが「気の温存」です。
私たちの時間にも、心を向ける力にも、限りがあります。
比較や取り越し苦労、過度な気遣いに力を注ぎ続ければ、心も体も疲れてしまいます。
大切な「気」をどこに使うのか。その選び方が、日々の充実を左右します。
ひとり時間は、外へ向かい続けていた心を自分のもとへ戻し、命の力を補充するひとときです。
心が整えば、見過ごしていた親切や、身近な幸せにも気づけます。
その感謝が言葉や振る舞いとなり、新たな温かいご縁を育んでいく。
「同じ気は同じ気を呼ぶ」ということを、こうした日々の循環にも感じます。
そして、この
「ひとり時間」を習慣にするために、
私たちが推奨しているのが、
ダイアリー時間、すなわち日記を書く時間です。
一日の出来事と、そのときの気持ち。心に残った言葉や、ありがたかったこと。
短い言葉でも、飾らずに書いてみる。
すると、書くことで初めて気づく本音や、自分が大切にしているものが見えてきます。
日記は、日々の記録であると同時に、自分自身との対話でもあるのです。
一日ほんの数分、ダイアリーを開き、自分の声に耳を澄ませる。
その
積み重ねが内なる泉を満たし、人生の土台を育てていきます。
この秋、ダイアリー時間を暮らしの習慣にしてまいりましょう。
そこから、
自分の軸を持ち、しなやかに生きる「最強の自分」が育ち始めるのです。
越川 宗亮